006.


殺される。今すぐ逃げないと、殺される。この耳で聞いてしまったのだ。自分を殺す計画を立てているのを。
あれを渡せば助けるなんて言っていたが、あいつらにしてみれば私を生かしていてもなんのメリットもないんだ。
なぜもっと早く気がつかなかったんだ。
とにかく一刻も早くここから抜け出さなければ殺される。 
ん? あの窓から逃げ出せそうだ。急がなければ。
 ―殺される―


 171「なんでそんなに急ぐ必要があるんですか?」
 170「馬鹿やろう!!ガードナーを呼び出したメッセージは偽者だったんだ!どっかの誰かが何か悪事を働いているとしか思えないだろう?」
 171「なるほど、確かにそれはまずいですね。分かりました。急ぎます」
170「おう、頼む」


 「あ!!ボス!あいついません!!」
 「なに?逃げやがったか 探せ!!探し出せ!!」
 「はい! あ!いました。車に乗って逃げようとしています」
 「よし、追え!!」


急げ 急げ 急げ!! 殺される だがあの部屋から抜け出せばあとは・・・
よし、あの車に乗って逃げよう ・・・よし鍵が刺さったままだ エンジンもかかった。これなら ・・・
     車を発進させる。
ふ〜、とりあえず車に乗れれば助かるかもしれない
ん?なんだ?  ・・・!! いそげ!!  まずい きずかれた!!
急げ 急げ 急げ・・・・!!
   ―殺される―


 171「付きました。ここがあのメッセージで言っていた住所です」
 170「中には?」
 171「誰もいません!」
 ?「あれ?そこに住んでいる人ならいないよ」
 170「え?」
 171「どういうことですか?おばあさん」
 このアパートに住むおばあさん「一ヶ月ぐらい前かねえ。若い男の人が尋ねてきて、その日からずっと口げんかしてたみたいでうるさくてねえ。1週間ぐらい前に別のところに引っ越すことになったとか言ってたよ」
 170「それはどこか聞いていますか?」
 おばあさん「えっとねえ・・あ、たしか・・・」


 170「ありがとう、おばあさん。」
 おばあさん「いえいえ」
 170「行くぞ!」
 171「はい!」


 170「おい、なにしてる!もっと急げ!一刻を争うんだ!!」
 171「は、はい!!」


急げ 急げ 急げ!!   ん? よし、あの倉庫の中に隠れよう
  殺される・・・!!


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