DEATH NOTE 第三部


Page.12「日記」


力強くそのインターホンを押した。
ピンポーン
「はい」
山本「・・・お久しぶりです。山元です」


ニア「・・・というわけで今日は以上です。皆さん、何かありますか?」
ジェバンニ「すいません、L」
ニア「どうしました?ジェバンニ」
ジェバンニ「Mr.山本のことなのですが」
相沢「?」
松田「どうかしたんすか?」
ニア「どうしました?」
ジェバンニ「昨日少しこの捜査メンバーの情報をワタリと一緒に管理していたらMr.山本の情報がまだなかったので調べときました」
ニア「ご苦労様です」
ジェバンニ「その資料を皆さんにも送ります」
相沢「・・・うむ。届いた。それで?」
「データを見ながら聞いてください。そしたら・・・山本、本名、山元広之・・・」
松田「え?」
ジェバンニ「・・・」
井出「松田、お前馬鹿だろ・・・警察はまだキラ対策が残っていて偽名の警察手帳を持つようになっていたのを忘れたのか?我々は信用できるこのメンバーだけで捜査しているから今は本名で呼び合っているが山元は字を山本に変えて入社し、そのままこの会議に参加していたんだぞ」
松田「そうだったんすか?」
相沢「・・・・」
ニア「・・・続きをどうぞ、ジェバンニ」
ジェバンニ「・・・はい。山元広之は小、中、高と平凡に過ごしていたようですが、高校時代、ある頭のいい友人と警察に入ることを約束し、それからその友人とともに勉強しかなり親しかったようです。そして警察に入ってからも活躍し、出世して今に至ります。が、問題はその友人なんですが・・・」


ガチャ その家の扉が開き、中から一人の女性が出てきた。女性はその年齢にしてはひどいほどやつれていた。相当苦労してきたのだろう。
夜神幸子「山元君、久しぶりね。どうぞ、あがっていって」
山元「お邪魔します」
幸子「本当に久しぶりね。ライトが、いたらよかったんだけど・・・」
山元「松田さんたちから聞きました・・。その節は・・・ほんとに残念です。・・あの・・・ライトの部屋に行ってもいいですか?」
幸子「ええ、ライトの親友ですものね。お茶を用意しとくから用が終わったら降りてらっしゃい」
山元「ありがとうございます」


山元「ふう」
懐かしいな。ライトの部屋・・・。
ライトは必ずここに戻ってきて、何かを残したはずだ。自分が負けるとは思ってなくても、その時点で犯罪者を裁いていたライトの手下がもし死んでしまった時のことも考えて何かを残してあるはず・・・
それを見れば、ライトがこんなことをしてしまった理由が分かるはずだ・・・

ん?封筒・・・
中を見る山元
それは日記のような、大学ノートに似たノートだった。違うのは、表紙が真っ黒なことと、そこに、山元の記憶が刺激されるあの言葉が刻まれていた。
「DEATH NOTE」

もうひとつ、ちょうど警察の捜査資料のようなものがあった。

それはライトのキラ事件に対する考察と、それに関係する新聞記事などのデータ。


これが・・・殺人ノート・・・キラの力がここに・・・しかし何で・・?警察じゃいけなかったのか・・?
さらに新聞記事にはこんなことも書いてあった


中学生が一人、犯罪に巻き込まれて殺されたこと。そしてライトの推理で犯人は捕まったあの事件だ。その犯人は大勢の子供を殺している。当然死刑だと思った。しかし、結果は無期懲役だったということ。
それから警察庁のパソコンのデータもあった。ライトのハッキングによって分かった、犯罪者の扱いについてだった。

凶悪事件が増加している一方、増加する不起訴・未解決の事件。そして、薬常習者が殺人を犯したにもかかわらず無罪判決を勝ち取ったこと、など。
ライトがノートによる裁きをするに至る理由がそこにはあった。ライトとともに行動をし、同じ考えを持っていた山元に、これはどういう影響を与えるのか・・・。
知らなかった・・・。警察にいてもあまり知られてない情報・・・こんなひどい状態・・・法で裁けぬ犯罪者・・・しかもこのこの殺された中学生って言うのは、あいつだ・・・新聞には被害者の友人協力により解決、と書いてある・・・この友人というのは・・・

ニア「・・・その友人とはどういう人なんですか・・・?」
ジェバンニ「・・・頭脳明晰、スポーツ万能、その卓越した頭脳で何度か警察に助言し事件を解決に導き、刑事局長を父親に持っていた我々もよく知っている人物です」
松田「それってまさか・・・!」
ジェバンニ「・・・・夜神 月です・・・・」

ライトだ・・・


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